これまでのこと– category –
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空白(色をひとしずく)
うごかない空に音のない風がとおる 指先にはなにひとつ残っていないのにどこかが すこしだけ 冷たい 言葉も かたちもないままひとつ 息をついた それだけのことがやけに 遠くまでひびいていく ――若かったころの理由もなく ふと胸に満ちた あの気持... -
あの夜のまま
ふとした瞬間に、過去の気持ちが思いがけずよみがえることがあります。もう忘れたと思っていたのに、胸の奥ではずっと静かに息づいていた想い。それは、いつか誰かと過ごした夜の景色かもしれません。 ---(詩)--- 思い出さなくなって どれくらい経った... -
遥かなるときへ
ひとの心には言葉にならない風景があるひかりと影のあいだに揺れる名もなき日々の面影 時は流れ幾度も空は色を変え忘れたはずのものがふと 胸に触れる夜がある いま 静かに綴る声なき想いの残響それは誰かに届くためではなくただ ここに在った証として ...
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