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「インド太平洋」という発想
今のこと
――日本はなぜ、この言葉を手放さないのか 「インド太平洋」という言葉は、いまや当たり前のように使われている。だが、この言葉が何を意味し、なぜ日本がこれほど重視しているのかを、真正面から考える機会はあまり多くない。 結論を先に言えば、インド太... -
日本の国家安全保障戦略を読んで思ったこと
今のこと
――「家族」から「チーム」へ 本稿で言及する「日本の国家安全保障戦略」とは、国家安全保障戦略、すなわち2022年12月16日に国家安全保障会議決定および閣議決定された、日本政府の安全保障に関する最上位文書を指す。 この文書を読んで、まず感じたのは危... -
名前を検索してしまう夜
これまでのこと
ときどき、昔の知り合いのことを思い出す夜がある。ふだんの生活の中では思い出すこともなくなった名前が、ふとした拍子に、波のように押し寄せてくることがある。 懐かしい土地のことを考えたり、若いころによく歩いた道を思い出したりすると、あのとき一... -
日本はなぜ「ハブ」になるべきなのか
これまでのこと
――東アジアの覇権構造と日本の現実的な生存戦略―― 今日は、少し大きな話を書いてみようと思う。経済の話から始まって、人口、国家経営、そして覇権国家と地政学の話まで、最近あれこれ考えていたことが、一本の線でつながってきた。 日本はこれからどうい... -
今日は静かな一日だった
今のこと
今日は、特別なことは何もなかった。いつも通りに起きて、いつも通りに一日を過ごした。 朝の空は少し霞んでいて、窓を開けると、冷たい空気が部屋に入り込んできた。コーヒーを淹れて、しばらく何も考えずに飲む。それだけで、少し気持ちが整う。 日中は... -
歳月の向こう側で思うこと
これまでのこと
時折、ふとした拍子に昔の出来事が静かに立ち上がることがある。忘れていたつもりでも、あるいは忘れたと思い込んでいただけで、記憶の底ではずっと呼吸をしていたのかもしれない。 若い頃の自分は、大切なことほど言葉にしないまま、結論だけを急いでしま... -
美しい思い出という “人生の灯り”
今のこと
ときどき、ふと胸の奥が温かくなる記憶がある。あれは遠い日の冬、伊豆へ向かう旅の途中で出会った風景や、静かな海、澄んだ空気、そして過ごした時間だ。 長い年月が経つと、出来事そのものは少しずつ薄れていく。でも、不思議なことに、心の深いところに... -
『平場の月』より ──生きているふり
今のこと
なるべくずーっとなんとかやってるように思わせたいじゃん彼女はそう言った 死を隠すためじゃない誰かの心に 希望を残すためだった約束を果たせない代わりに 祈りを残したかった 別れたことにしてもいいそれでも どこかで生きているように彼の世界を少... -
『平場の月』より ──あのさ、青砥
今のこと
あのさ――そのあとに続く言葉を彼女は胸の奥でほどいていたでも 彼は待てなかった言葉の方を先に出してしまったその一秒の間にふたりの未来はすれ違った月の光のように 静かに 青砥はその夜、須藤の沈黙の中にあった“最後のサイン”を見逃した。けれど、彼... -
朝倉かすみの中に流れる三つの時間
今のこと
──再会・待つ・老い── 人生の中で、同じ時間を生きていたはずの人と、いつのまにか遠く離れてしまうことがある。 思い出の中では、あの日のまま微笑んでいるのに、現実ではもう会うこともない。 それでも、人は心のどこかで、その人の幸せを祈りつづけ...